顎関節症でお悩みですか?本記事では、顎関節症の治療に用いられる各種スプリントと矯正器具の特徴、適応症例、選び方のポイントを解説します。日常の痛みや不快感の改善を目指す方必見の内容です。

顎関節症とは何か?

顎関節症(TMJ/顎関節障害)は、あごの開閉時の痛み、クリック音、開口制限などを特徴とする disorder です。原因は、強い咬合力、ブラキシズム(歯ぎしり)、ストレス、歯並びの乱れなど多岐にわたり、適切な治療選択が不可欠です。

スプリント療法の種類と適応

ナイトガード(就寝用スプリント)

目的:歯ぎしりや食いしばりから歯・顎関節を保護

特徴:硬質レジンやソフト樹脂製で、上下いずれかの歯にフィット

適応:ブラキシズムによる顎関節・歯痛の軽減

前方位保持スプリント

目的:顎関節の前方偏位を是正

特徴:下顎をわずかに前方に保持し、関節円板の再整位を促す

適応:クリック音や開口障害の改善

可撤式矯正スプリント(オーソドンティックスプリント)

目的:軽度の歯列不正と顎位ずれの同時改善

特徴:マウスピース型で、日中または就寝中に装着

適応:軽度のオーバーバイトや交叉咬合、顎関節症状の併存例

矯正器具による咬合再構築

マルチブラケット装置

役割:歯並びを整え、正しい咬合関係を構築

メリット:細かな歯の移動が可能

デメリット:顎関節症状の即効改善には時間を要す

アライナー矯正

役割:透明なマウスピースで歯列とかみ合わせを徐々に修正

メリット:審美性・衛生性良好、顎位の安定化も図れる

デメリット:重度不正咬合や顎関節症への単独適応は限定的

選び方のポイント

症状の主因を特定……歯ぎしり主体か噛み合わせ不良か、詳細診査を重視

装着の快適性……長時間装着するものはフィット感が重要

メンテナンス性……洗浄・補修のしやすさを確認

専門医のフォロー体制……定期的な調整・リラクセーション指導が受けられるか

治療の流れと期間

初診・診断……問診、咬合検査、レントゲン・MRIで関節評価

スプリント作製・調整……模型上で作製し、口腔内で微調整

経過観察……数週間ごとに症状変化をチェックし、交換または調整

矯正器具移行(必要時)……スプリントで安定後、矯正へ移行

メンテナンス……治療完了後も定期的なチェックとリテーナー使用